「DIYで自宅をリノベーションしたい」「自分でリノベーションして愛着のある我が家にしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。近年のDIYブームにより、セルフリノベーションを検討する方が増えています。
セルフリノベーションを楽しむ方の中には、仕上がりの良し悪しよりも、自分たちで作り上げたという事実の方を重要視する方も少なくありません。
しかし、ご自身で工事して、思わぬトラブルへ発展する可能性は否めません。
どこまでをプロに任せ、どこまでを自分でやるかの線引きは難しいものです。「予算」「時間」「自分でやりたい」という要素が絡み合います。ご自身で自宅をリノベーションする場合、セルフリノベーションする部分とプロに任せる部分を分けることがポイントです。
ここでは、セルフリノベーションにおすすめの工事とそうでない工事についてもお話しします。ご自宅の改修を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
セルフリノベーションのメリット
1.コストを抑えられる
セルフリノベーションでは、施工費がかからないため、総コストを大幅に削減できます。最近ではホームセンターで工具をレンタルできるサービスもあり、道具を揃える手間もありません。そのため、限られた予算内でリノベーションができます。
2.マイペースに進められる
リノベーションにかける時間をご自身で決められるので、納得するまでプランの検討や材料選び、ディテールの仕上がりにまでこだわれます。
3.部屋に愛着が湧く
セルフリノベーションがお好きな方の中には、仕上がりの良し悪しよりも、自分たちで作り上げたという事実の方を重要視する方も少なくありません。
4.DIYの自信がつく
トライ&エラーを繰り返すことで、DIYの技術や知識が向上します。定期的にリノベーションを行うことで腕に磨きがかかり、将来プロに依頼する際も作業工程の理解が深まり、打ち合わせがスムーズに進むでしょう。
5.材料のメーカーや商品が制限されない
リノベーション会社に工事を依頼すると、保証の関係で使用できる建築材料や設備機器が制限されることがあります。しかし、セルフリノベーションならばどんな材料や機器でも自由に選べます。セール品、海外ブランド、ユーズド品など、幅広い選択肢からお気に入りのものを取り入れることができます。
セルフリノベーションのデメリット
1.全てDIYするのは難しい
セルフリノベーションには工事内容や範囲に限度があります。「DIYの技術に自信がある」という方でも、全ての工事を自分で行うことは難しいです。有資格者でないとできない作業もあり、例えば電気工事やガス管、給排水管の移動には専門知識や技術が必要です。
2.プロに任せるより時間・期間がかかる
プロの施工業者と比較すると、セルフリノベーションでは完成までにどうしても時間がかかってしまいます。プロが1日で終える作業でも、一般の方には1週間ほどかかることがあります。さらに、やり直しが必要になると、労力はさらに増えてしまいます。
そのため、セルフリノベーションを行う際には、期限を設けずにゆっくりと進めることをおすすめします。
3.商材によってはプロが買うより価格が高い
工務店などは資材や機器を大量に購入するため、一般の方よりも安く入手できます。そのため、自分でリノベーションすると材料費が安くなるとは限りません。良い材料を使用したい場合、自分で揃えることで逆にコストが高くなる可能性もあります。セルフリノベーションで削減できるのは主に施工費であることを理解しておきましょう。
4.工事内容によっては大きなトラブルになる可能性がある
セルフリノベーション中に給水管を傷つけて水漏れを起こしたり、管理規約で禁止されている工事をしてしまったというトラブルもあります。作業に慣れていないと不具合や失敗が発生する可能性があるため、注意が必要です。コストを抑えるために行ったセルフリノベーションが大きなトラブルを招くと、是正工事に余分な費用がかかることもあります。
5.仕上がりにはどうしてもプロと差が出る
いくら上手にできても、プロと比べると仕上がりに差が出てしまいます。例えば、壁紙の張り替えでは、完成直後はきれいでも乾くと繋ぎ目が空いてしまうことが多いです。プロは湿度や温度を考慮して材料を調整しますが、一般の方が同じクオリティで仕上げるのは難しいです。
6.完成後に再工事が必要な可能性がある
自分でリノベーションしても、再び解体して工事しなければならない可能性があります。よくあるケースとして、きれいにリノベーションした後に壁に結露によるカビが生えることがあります。断熱性などの根本的な性能が不足していると、後から工事をやり直さなければならなくなることがあります。
7.補助金・減税制度・リフォームローンが利用できない可能性がある
セルフリノベーションは補助金や減税制度の対象外になる可能性があります。特に断熱、省エネ、耐震性能の基準を証明するのは難しいため、これらの利用を検討している方はプロに任せることをおすすめします。また、リフォームローンの審査には業者見積もりが必要なため、セルフリノベーションでは融資を受けられないことがあります。
セルフリノベーションおすすめ工事
これらはあくまで一例ですが、共通しているのは「構造躯体や共用部分に影響を及ぼさない」工事である点です。
紹介した工事は、万が一失敗しても他に影響が少ないため、初心者でも比較的チャレンジしやすいでしょう。ただし、内装ドアや内窓、カーテンレール、ブラインドの設置には、材料を発注する際の正確な採寸が必要ですので、事前にやり方を十分に調べておくと良いでしょう。
プロに任せたほうがいい工事
プロ級のDIY技術を持っていても、これらの工事はおすすめできません。なぜなら、戸建住宅では耐震性などの重要な性能に支障をきたす恐れがあり、マンションでは共用部分にキズをつける可能性があるからです。
さらに、少しのミスで漏水や漏電を引き起こすリスクもあります。また、大掛かりな工具を使う作業はケガや事故につながる可能性もゼロではありません。
実際の施工例①
こちらの施工事例では、古民家を購入し移住された家主さまをご紹介します。
母屋はご自身でDIYリノベーションされています。
離れのお部屋も自分たちでリノベーションに取り組まれていましたが、和室と洋間を繋ごうとしたところで力尽き、ご依頼をいただくことになりました。
和室と趣味部屋はフローリングにするため、床板の施工を行います。フローリング材や壁材については、お客様のこだわりに応じてご自身で仕上げていただきます。
宮下工務店では、細やかなご相談に応じながら施工内容を決めていきますので、DIYで難しい部分や重要な部分だけをお任せいただくことも可能です。
実際の施工例②
次の施工事例は、DIYがご趣味のお客様が家の横に遊び部屋を増築したいとのご依頼があり、お手伝いさせて頂きました!ブロック塀はお客様の方で積まれ、後の作業をプロの方にお願いしたいとのことで、建て方のみ請け負いました。
窓枠の取り付けまで対応させて頂き、後はお客様自身で内装、外装の仕上げをDIYされました。
個人で施工するには木材のカットや、構造上危険も多く、難易度が高いです。
お客様ができる範囲の作業までされて、危険な作業や個人でするには大変な作業は、是非プロにお任せ下さい!
お客様がDIYである程度の作業を進められた後に、途中で進められなくなった場合でも、施工の続きはお任せいただけます。ただし、解体して一から施工し直すこともあり、その場合は費用が増えることもあります。DIYをされる際には、どこまでをお客様ご自身で行い、どこからをプロに依頼するのか、あらかじめご相談いただけると幸いです。